Quantcast
Channel: ファンマーケティングで1人起業家が年商3000万円になる方法 〜コミュニティビジネスからビジネス設計、出版ブランディングまで〜
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1155

30年前のXmasプレゼント

$
0
0

{D27FB622-AE71-42A5-890D-0C7333CBDC51:01}


30年前のクリスマスイヴのことだ。


田中家ではXmas1週間前になると、2階の窓から空に向かってサンタに聴こえるよう大きな声で欲しいプレゼントを叫ぶという慣例行事があった。


その年、2つ上の小学5年生の姉から「どうやらサンタはいないらしい。アレはお父さんとお母さんが私たちを騙しているようだ。空に向かって叫ぶプレゼントをお母さんが下で盗み聞きをしてお父さんが買ってくる、という仕組みになっているんじゃないか?」との疑念が持ち上がった。


そんなバカな、と思ったが、僕は疑惑の事実を明らかにするため、その年に欲しいプレゼントを窓から叫ばないことを姉に提案した。


我々の極秘の作戦に業を煮やした母は誘導作戦に打って出た。


「あんたたち、サンタさんも世界中の子どもたちにプレゼントば用意せんばとやけん、お願いもしいえん子どもにはXmasプレゼントはなかろうたい」


姉は動揺しさっそく窓から叫んだ。しかも、叫び終わって振り返るやいなや、
「あんたも叫けんどかんば、プレゼントなくても知らんよ!」
と母側にアッサリ寝返った。裏切り者め!


「サンタは僕を見捨てない!」と信じたかった僕は、頑なに叫ぶことを拒んだ。
Xmasが近づくにつれ不安も募ったが、その分、心の中で強く強くサンタさんに伝え続けた。


「サンタさん、僕に、僕に、ラジコンをください!!!」


いよいよXmasイヴの夜がやって来た。
明日の朝、僕はサンタさんに貰ったラジコンカーで遊んでから学校に行く。そしてこの実験結果をクラスのみんなに得意気に報告している姿を鮮明に思い浮かべた。姉にも「ほら!サンタさんおったろー!」とサンタを疑った姉をギャフンと言わしてやらねばならない。
そんなことを思いながら、いつしか僕は深い眠りに落ちていた。



「克成!あんたにもプレゼント来とるよ!」


テンションMAXの姉の声で僕は飛び起きた。
姉がベッドの横で嬉々としてプレゼントの包みを解いている。急いで枕元に目をやると、あった!
大きな箱に入ったプレゼントだ!
若干、ラジコンにしては平べったい気もしないでもなかったが、きっとサンタさんは平べったいスポーツカータイプのラジコンカーをくれたに違いない。


プレゼントを掴むとベッドから飛び出し、姉の横に座って封を解いた。一足先にプレゼントの中身を取り出した姉は欲しかったオモチャを両手に抱えて喜んでいる。


「僕も、僕も、僕のラジコンカー!!!」


ところが、封を開け終えた途端、僕の頭は真っ白になった。



『こども動物大百科』



やたらに分厚い本の表紙に、トラや馬やライオンやワニやゾウやチンパンジーが、所狭しと賑やかに描かれていた。
僕の心情はそれとは正反対。めっきり塞ぎ込んだ。


誰かに教わった夢から覚める方法を思い出し、思いっきりほっぺをつねってみたが、痛みとともに目の前の百科事典が現実であることを突きつけられるだけだった。


サンタの仕業か両親の仕業か、いずれにしても僕の心の叫びが誰にも伝わらなかった悲壮感と、サンタが限りなく偽物に近づいた虚脱感と、ラジコンカーが手に入らなかった喪失感と、学校の友だちに残念すぎる結果を報告せねばならない世の中の不条理と、何やかんやいろんな負の感情がいっぺんに押し寄せて、人生最大の「過渡期」がXmasにやって来たのだ。


人生そのものに希望を失いリビングに降りると、母が言った。
「ほら見たことね。サンタさんも忙しかとて。貰えただけでもマシと思えー」


僕は、全力で不貞腐れた。と同時に、サンタに忠告することにした。
「来年、ラジコンをプレゼントしなければ、僕の人生にサンタが登場できるチャンスは二度とない」


それは、サンタが実在したとしても、サンタが両親であったとしても、子ども心を傷つけるサンタなら存在価値はない、という意思表示であった。


「サンタ、子どもだと思ってナメんなよ」


サンタとの根比べ勝負を決意した僕は、お年玉でもラジコンは買わず、誕生日にもラジコンはねだらず、翌年のXmasまでラジコンを待った。


翌年の小学4年生のXmasの朝。
枕元に置かれていた封を開けると、ラジコンカーが僕の目に飛び込んできた。
サンタとの一年間にわたる冷戦に勝利した瞬間であった。


箱を開け、待望のラジコンを取り出してみると、クルマとリモンコンがコードで繋がれたラジコンカーだった。微妙だ…。


父が言った。
「サンタさんが無線で走らせるラジコンは危なかけん、コレにしたって言いよったぞ」
その瞬間、サンタが父であることを悟った。



あれから30年目のXmasイヴの今日。
きずな出版さんが240ページの分厚い本を、この日に合わせ印刷工場に無理を言って間に合わせてくれた。


『成功のバイオリズム[超進化論]―あきらめなければ人生は必ず好転する― 』(税込1,620円/きずな出版)https://www.amazon.co.jp/dp/490707249X/ref=cm_sw_r_cp_awd_Ew7EwbMDCVR1J


来年、1月9-10日あたりから全国の書店で発売開始。
発売に先駆け、今月12月27日、東京大井町で本書刊行の特別セミナーを開催します。


本書に綴った成功のバイオリズム[超進化論]の詳細はもちろん、項数の都合で盛り込めなかった「過渡期なきブレイクスルー」で目標達成までの最短距離を走れる唯一無二の方法もお伝えします。


----------------------------------------------------------------
【残席4】
12月27日14:00~17:00@東京大井町きゅりあん
『成功のバイオリズム[超進化論]』特別セミナー
----------------------------------------------------------------
※参加者全員に1月9日発売の新刊をプレゼント



{D9E7DFAB-18C3-4943-AFC6-80061E0CE4DF:01}


Viewing all articles
Browse latest Browse all 1155

Trending Articles